競争のないところで仕事するコツ

(小さな仕事塾のMLより~競争のないところで仕事するコツ~)
競争をしなくてよいところで商売をするコツについて、考えていて、一つ答が見つかりました。
昨日、自営業者の人たちとやりとりしてる中で、こんなことを書きました。

「ありがとうございます。わたしのお店ができるまでは、昨年、Weという雑誌のロングインタビューでまとめていただきました。わたしは、だけど、今、やっと自分のしたいことがはっきりしてきたばかりです。みなさんと話せたことが大きかったです。わたしは競争のないところで生きたいという思いがすごく強いんだと思いました。それはたぶん性格的なものです。まだ未熟でうまく言語化できないんだけど、例の古道具屋さんもわたしと同じで、社会に貢献したいという以上に、競争が苦手で競り市に参加できないんです。それでお片づけを手伝ったりしてひきうけたものを売っています。わたしも豆料理クラブをスタートしたときは、日本中どこにも豆料理のレシピがなくて、スタートしました。今は増えてきたから、窮屈な感じがしてきました。好きになって結婚しようと思った男の人も、3回とも無職の人で家族はあきれていました。今もらくてん通信に書いてもらうのは書き手として無名の人ばかりです。そこから先生になったり、本を書く人になった人もあるけれど、とにかく最初はなにも実績のない人。
今となっては引く手あまたの祝島ひじきや、丸玄さんの自然栽培の大豆や、水田さんの麹も、当初は売り先があんまりなくてって状態でうちが買いました。わたしはそういうのが好きなんですね。SNSでも自分を売り込みたくて書くということは、これはウソではないんだけど、ないと思います。その意味で、『広告の亡くなる日』に共感しました。わたしも、はりあう気持ちが出るようならば、発信しない、ってことにしてるんです。だから、競争に勝つという方法は教えられないんだって気がつきました。競争しなくていい方法ならばみんなと一緒に考えていけるんだなって思いました。そういう自分のいいという道をはっきり自覚できて、ほんとに嬉しいです。今も無名に近い友だちが何人もいます。彼ら彼女たちと今の世の中にない何かを生み出していける気がしています。」

わたしが今朝思ったのはこうです、秋場さんとの取り引きも「京都に営業に来て自然栽培の豆を販売しようと思ったけど、どこも買ってくれなかった」って秋場さんがおっしゃったところがスタートでした。うちが買いましょう!って流れで。まだ京都に来て2年目でした。
丸玄さんも買ってほしいってことで連絡下さった。水田さんもお客さんが「この農家さんから買ってあげてください」って頼んでこられた。祝島のひじきもです。

それが今では欲しい人が多くて一般にはなかなか手に入らないくらいの商品になってきた。小太朗農園さんのお餅や加工品もですね。
ネパリバザーロさんのスパイスも。

そういうまっとうな商品と出会う方法は一つしかないと今朝思いました。自分を実際以上にかっこよく演出しないってことです。そうすると、実際以上にかっこよく演出する人を見ることが耐えられなくなるんです。昨日だったかご紹介したお仕事のHPを見ましたが、わたしには無理でした。演出過多で、、。力を持った人であっても演出過多だと、わたしはひいてしまうんですね。
それで中身と演出が解離してない人と出会うと安心する。そういう生産者とはずっと関係がつづくし、お互い信頼がたぶん死ぬまでつづきます。(たとえ何かのきっかけで取り引きしなくなっても、信頼関係はなくならない。)

見かけ倒しではない実際によい物を売る店には、お客さんは来て下さる。

なので、競争のないところで商売するコツは、演出しない、ってことじゃないかと思いました。自分が演出してると、人の演出にも甘くなって、実際の価値を見分けることができなくなるんじゃないかなって思いました。

何の飾りもなしに商売するのは安らぎがあります。お客さんとも信頼関係があるし、仕入れ先とも信頼関係があるし。
なかなかみなさんの店に行けなくて申し訳ないのですが、おそらくみなさんもそういう感じで商売されてるんじゃないかと思います。昨年は仕事の帰りに出口さんの店に立ち寄ることができたのですが、出口さんの店は小さな店のいいところを体現していて、感動しました。

※小さいとき飼っていたブロンコと弟と。